ちえ☆ライブラリー -12ページ目

歯医者新人面接・14 ワイン片手に生活談義

私はカレシ君に大きなワインのボトルを差し出した。

「これ、今朝、院長がくれたんだよ。一緒に飲もうよ!」

院長が私に気を遣って、面接が大変だろうからと、
私のためにわざわざ買ってきてくれたのだ。

「凄いな・・・大きなボトル。
けど、こんな事するくらいなら院長、自分が面接したらいいやん?
全部ちえさんに責任押しつけて・・・それでお詫びにワインかよ?!
ちょっと違うと思うで・・・」


カレシ君はそうつぶやく。
ありがとう。私の言葉を代弁してくれたね。
同じ気持ちになってくれて、本当に嬉しいよ。カレシ君。
私はカレシ君に素直な気持ちをぶつける。

「仕事してたら、腹が立つこと一杯あるよね。
けど、それを踏み倒して乗り越えて行かないと、
仕事なんて絶対に出来ない。どんな職種でもね。
腹立てて辞めても、職場はちっとも困らない。
困るのは自分!給料をもらえなくなって首が絞まるのは自分!
職場は、1人辞めた所で痛くもかゆくもない。
”新しい人間入れたら済む”と、それだけだもん。
嫌やったら、いつでも辞めれ。って常に経営者からそう思われてるだけ。
だったら、歯を食いしばってでも仕事をこなすしかない。
それが出来なければ、社会から振り落とされて、
結局自分が困るだけだもん!
やるしかないよ・・・。だから、私、必死で頑張ったよ。」


カレシ君は大きく頷く。
「そうやねん!!オレの会社でも、上司と喧嘩して
辞めていった先輩が居てる。けど、会社は何も影響ないんだよ。
結局困ったのは先輩。妻子もいるのに、収入がなくなり、
次の仕事もすぐには見つからないし。
最後は自分自身が困ってたよ!そういうもんだよね。
だから、どんなに腹が立っても、食べる為には耐えるしかない。
悔しいけど、それが仕事の現実だよ。
よく頑張ってるよ、ちえさん!偉いっ!」


理想と現実はいつも違う。
社会人生活も、いつもそうだ。
悔しくとも、理不尽であったとしても、生活の為ならエンヤコラだ。
これしきの事で、音を上げてはいけない。
耐え忍んでこそ、初めて金が手に入るのだ。
信用も培って、更に磐石なる収入源を構築することも必要だ。
全ては社会人として根を張り生き抜くために・・・


2人でワインを開けて飲んだ。
月曜日、私の新しい一日が始まる。
さて、どんな子かしら・・・
そして、先生はどんな反応を示すかしら・・・

楽しみである。

次回に続く・・・

予測不可能な未来・2

私の中に思い留めていた、ある事をこの際話そう。

昨年8月、近所のお兄さんが亡くなった。
あまりに唐突な出来事であり、お兄さんがまだ37歳という
若さであった事が、私の胸を凍りつかせた。

実は亡くなる1ヶ月前、私はお兄さんを目撃していた。
家の前で夜、携帯片手に誰かと話していたのを見たのだ・・・

いつも見る姿と違い、少し痩せていた。
「あれっ?」と気にはなったが、暑いし夏バテでもしたのかな。
という簡単な思いを起こし、その時は気にも留めなかった。

が、一週間後、近所の人から衝撃の真実を聞く。
お兄さんがそれから3日後に入院したと。
しかも、末期ガンに侵されていると・・・

「うそ?」
3日前まで痩せはしたけど元気そうに歩いていたお兄さん。
きっと、手術をすれば元気になるって思った。

が、お兄さんは還らなかった。
ひと月たった早朝、亡くなった知らせを聞いた。
わずか37歳で、この世を去ってしまった。

実は、カレシ君よりひとつ歳が上のお兄さん。
同世代なので、とてもショックだった。
「もし、カレシ君だったら・・・」その思いがよぎる。
若いから元気でいられるとか、そんなの当てにならん。
誰でも、いくつでも、病魔に倒れる可能性があるのだ。

私の父はこう言った。
「人間、誰でも、目隠しをして綱渡りをして歩いているんだ。
次に踏み出す一歩、つまり”明日”がキチンと綱の上に
あるかどうかなんてどこにも保障はないんだ。
今日元気だから明日も元気なんて、一切わからない。
綱を踏み外す危険もあれば、渡っている綱自体がプッツリ切れてしまう
こともあるんだよ。誰もがそれを忘れてはならないんだ。」


お兄さんの葬儀に私は駆けつけた。
「もう、2度と会えない・・・」
せめてお兄さんの生きた証として、私も参列させてもらった。

死相を見せていただいた時、私は息を呑んだ。
お兄さんは、口元に笑みを浮かべていた。
歯を見せて笑って亡くなっていた。
顔色も真っ白で、大変綺麗な相をしていたのだ。


末期ガンで苦しんだはずのお兄さんが・・・
本当に病気だったのかと、他の人達も洩らしていたほどだ。


あまりの嬉しそうな死相に、私は涙が止まらなかった。
短い一生だったけど、自分の歩いた人生に何の悔いもなかった。
「オレの人生は最高だった!!楽しかった!!」
とお兄さんは間違いなく満足しきった表情だと思った。

某新聞にて、こんな記事を見た。

ある看護師が語っていた真実がある。
臨床体験(死にかけて生き返った体験)を持つ人々が共通して語る事。

人は死ぬときに、自分の人生について振り返るのだと。
その時に思い出すのは、お金持ちになった事や、名誉を手にした事
なのではない。ただ、この4つの事を思い出すという。
自分が人間として、どうであったかという事。

・誰をどんな風に優しく接したのか
・誰をどんな風に愛したのか
・誰をどんな風に傷つけたのか
・誰をどんな風に裏切ってしまったのか


ただ、人間としてどうだったか、この部分だけを
鮮明に、ビデオの早回しのように目の前に駆け巡るそうだ。
この事実からは誰も逃げられない。人間に生まれた以上。
誰もが死ぬときに総決算しなければならない現実だ。

よく、死んだらエンマ大王が責めるなどというが、
実はエンマ大王の責めとは、まさにこのことなのだ。
自分自身の行動と罪によって自分が苦しむ、この臨終直前の恐怖。
それこそがエンマの責めでなのである!
痛烈な後悔と懺悔の気持ちこそがエンマ大王というものの正体だ。
結局、死に顔の如何というものは、その人が一人の人間として、
人生をどんな風に生き抜いたかという証なのである。
満足してなくなった人の死相は当然穏やかで、
笑顔で亡くなる人も多い。
が、しかし。
自分の生きざまに後悔の念を抱きなくなった人の場合は・・・。

臨床体験を持つ人は、
体験前はお金に非常に貪欲である人であっても
体験後は全くお金にこだわらなくなるという。
看護師の話は、まさに痛烈である。
そして。
この近所のお兄さんの死相はまさに、
この人の生きざまそのものだったのだ。


誰かがこうも言ってた。
「人間は、生きたようにしか死ねない。」のだと。

私も、真っ直ぐに生き抜いていきたい。

予測不可能な未来

先日アメブロでは初の私の写真を掲載(笑)

私がどんな人物か、書きなぐるここの文面から見て
皆様興味津々だったりして?(爆)
けど、残念ながらサングラスをしてるのでよくわかんないでしょ。
あとは個人の想像でお願いします(笑)

この時、車でカレシ君とスキー場に来たのだけど、
かなり高速道路ででブッたまげる、恐怖な出来事が。

東海北陸自動車道一宮JT付近で、
岐阜県方向に走っていると・・・

なんと、道路にキャリーごとスキー板が散乱していた!!
誰かが、車につけていたキャリーを落としたんだ。

恐怖でした。それを間違って踏んだらパンクは確実。
それどころか、車がスピンすれば他者を巻き込み大惨事・・・


私、その時運転していて、追い越し車線を走っていた。
その内もっと早い車が後ろからついてきたので、
走行車線によけて、その5秒後のことです。
眼前に、追い越し車線側に散乱するスキー板と壊れたキャリー・・・

ひとつ間違えば、確実に命を失っていました。
あの時、後ろから速い車が付いてこなかったなら・・・
私は間違いなく、その散乱物を踏みつけていたでしょう(怖)

背筋が凍りつく恐怖を感じながら、
私はある話しを思い出していました。
某新聞で掲載された、ある少女の話を・・・


以下、引用。

【西日本新聞朝刊 2005-01-15付】 

 がんと闘い、昨年9月に13歳で亡くなった福岡県大牟田市の田隈中2年猿渡瞳さんが、死の約2カ月前につづった作文「命を見つめて」が家族や友人らを通して各地に伝えられ、感動と感謝の輪が広がっている。

 瞳さんは小学6年の冬に、骨肉腫が見つかった。転移して肺がんにもなり、「余命半年」と宣告をされた。1年9カ月に及ぶ闘病生活の中で「命の大切さ」をつづった作文は、その死後、全国作文コンクールの優秀賞を受けた。



故猿渡'さんの作文「命を見つめて」(全文) 西日本新聞より

「みなさん、みなさんは本当の幸せって何だと思いますか。
実は、幸せが私たちの一番身近にあることを
病気になったおかげで知ることができました。
それは、地位でも、名誉でも、お金でもなく
「今、生きている」ということなんです。
私は小学六年生の時に骨肉腫という骨のガンが発見され、
約一年半に及ぶ闘病生活を送りました。
この時医者に、病気に負ければ命がないと言われ、
右足も太ももから切断しなけれぱならないと
厳しい宣告を受けました。
初めは、とてもシヨックでしたが、
必ず勝ってみせると決意し希望だけを胸に
真っ向から病気と闘ってきました。

その結果、病気に打ち勝ち右足も手術はしましたが
残すことができたのです。
しかし、この闘病生活の間に
一緒に病気と闘ってきた十五人の大切な仲間が
次から次に亡くなっていきました。
小さな赤ちゃんから、おじちゃんおばちゃんまで
年齢も病気もさまざまです。

厳しい治療とあらゆる検査の連続で心も体もボロボロになりながら、
私たちは生き続けるために必死に闘ってきました。
しかし、あまりにも現実は厳しく、
みんな一瞬にして亡くなっていかれ、
生き続けることがこれほど困難で、
これほど偉大なものかということを思い知らされました。

みんないつの日か、元気になっている自分を思い描きながら、
どんなに苦しくても目標に向かって
明るく元気にがんばっていました。
それなのに生き続けることができなくて、どれほど悔しかったことでしょう。
私がはっきり感じたのは、病気と闘っている人たちが誰よりも一番
輝いていたということです。

そして健康な体で学校に通ったり、
家族や友達とあたり前のように毎日を過ごせるということが、
どれほど幸せなことかということです。
たとえ、どんなに困難な壁にぶつかって悩んだり、
苦しんだりしたとしても命さえあれば必ず前に進んで行けるんです。
生きたくても生きられなかった
たくさんの仲間が命をかけて教えてくれた大切なメッセージを、
世界中の人々に伝えていくことが私の使命だと思っています。

今の世の中、人と人が殺し合う戦争や、
平気で人の命を奪う事件、そじていじめを苦にした自殺など、
悲しいニュースを見る度に怒りの気持ちでいっぱいになります。
一体どれだけの人がそれらのニュースに対して
真剣に向き合っているのでしょうか。

私の大好きな詩人の言葉の中に
「今の社会のほとんどの問題で悪に対して
『自分には関係ない』と言う人が多くなっている。
自分の身にふりかからない限り見て見ぬふりをする。
それが実は、悪を応援することになる。
私には関係ないというのは楽かもしれないが、
一番人間をダメにさせていく。
自分の人間らしさが削られどんどん消えていってしまう。
それを自覚しないと悪を平気で許す無気力な人間になってしまう」

と書いてありました。本当にその通りだと思います。
どんなに小さな悪に対しても決して許してはいけないのです。
そこから悪がエスカレートしていくのです。
今の現実がそれです。
命を軽く考えている人たちに、
病気と闘っている人たちの姿を見てもらいたいです。
そしてどれだけ命が尊いかということを知ってもらいたいです。

みなさん、私たち人間はいつどうなるかなんて誰にも分からないんです。
だからこそ、一日一日がとても大切なんです。


病気になったおかげで生きていく上で
一番大切なことを知ることができました。
今では心から病気に感謝しています。
私は自分の使命を果たすため、
亡くなったみんなの分まで精いっぱい生きていきます。

みなさんも、
今生きていることに感謝して悔いのない人生を送ってください。」



・・・随分、考えさせられる作文でした。
13歳の若さで逝ってしまった彼女の、生命の底からの叫び。
彼女に心をわし掴みにされて、ガタガタと揺さ振られる思いだ。


「健康で当たり前、幸福で当たり前。」
「今日も明日も生きていられる」
なんて、人間の驕り、思い上がりでしかない。


今回のスキー旅行で、その片鱗を痛感した私は
彼女の作文を思い出し、恥ずかしくなった。

彼女は、精一杯生き抜いた。
病気にはなったが、決してそれが不幸だったのではない。
誰よりも輝き、誰よりも深く生き抜いた、素晴らしい一生だ。

彼女の倍ほどの時間を生きている私は、
彼女みたいに胸を張って一日一日を大切にしているであろうか?

明日、私はどうなるか。それは誰にも解らないのだ。
今日無事だったから明日も無事なんて保障は何処にもない。
今日から、自分を見つめなおそう。
強く、強く、そう思った。

歯医者新人面接・13 早とちりでビックリ・・・

ある土曜日の午後。
午前中は診察だったが、昼からは仕事は終わる。

1人、医院に居残りしているわたし。

私は、現役歯科助手の子に採用の電話を入れることにした。
他の人には、郵送で履歴書を返送することにし、
切手を貼ってポストに投函。

少々、緊張しながら採用の子に電話を入れる。
数回呼び出し音がなったあと、母親が出た。

「あの、○○歯科医院と申します、○○さんご在宅ですか?」

「ああ、あの子今居てないのですけどね」

「では、以前面接に来ていただきましたが、
採用になりましたので月曜日からこちらに来ていただきたく・・・」


「はぁ・・・あの子、
以前から月曜から出勤すると既に言ってましたけど?」


はあ??
面接しただけで、採用されたって既に勘違いしてたの?


「あ、あのう・・・あの時点ではまだ決定ではなかったんです」

「そうですか。けど、もう本人は行くつもりですよ。」

・・・気が早いなぁ。
ま、採用だからいいけど・・・
本人が言ってたように、本当にどんくさいキャラなのかもな・・・


とにかく、よかった。

もし、彼女じゃなく、美人を採用したとしたら。
この子、月曜日普通に「おはようございま~す!!」って
素でウチの医院に来るところだったよ!!
アブナイ、アブナイ!!(滝汗)


は~、これで私の仕事も終わったぜ!ほっとした・・・
さて、先生はこの時点では私が最終的に誰を雇ったかまだ知らない。
っていうのも、先生は私より先に仕事場から帰ってしまった。
本当に冷たいって言うか、
そこまでして面接に関わりたくないとは、異常じゃないか?

全く、無責任な・・・!

一仕事終えた私は、その足でカレシ君宅へ。
カレシ君に今までの話しをする。

「きっとさ、先生、もしかして月曜に美人が来るんじゃないかって
今でもかなり期待してんじゃないの?(笑)」

カレシ君はそういって苦笑する。

「それにしても、ちえさんお疲れだったね、よくやったよ。」
ねぎらってくれるカレシ君の優しさにホッとした。

・・・次回に続く

やっぱり優秀、SALOMON VERSE7!

下記スレッドでサロモン・バース7(セブン)の
スキー板を買ったことを書いた。

日曜日早速スキー場で使ってみたが、
流石にいい板です。べた褒めできます!!

今までの板は、音楽で例えるなら、
ベートーベンやバッハなどの「クラシック系」な滑り。

しかし、バース7なら!
8ビートの利いた、「ロックンロール系」の滑りを
提供してくれる。

まさに、そんな感じ!!

難しい技術も何もいらない。
「とにかく乗ってください!あとの滑りは私に任せて~」
と、まるで板が私に語りかけてくれるような快適さ。

従来のノーマルスキーに必須だった、高度な技術は必要なし。

エッジを立てなきゃ滑れなかったノーマル板。
けれど、バース7なら、板を斜面に合わせて
”ずらす”感覚で十分。すっごく快適です。

バース7は、アイスバーンでも最高にお手の物です!
凍結の雪面で、
板のとり回しが効かなくなり恐怖を感じる従来の板が、
本当にバカらしく感じた・・・
どんな雪面にも対応する柔軟さは、流石、バース7!!

もう、前の板は早速捨てました(笑)乗る気失くしました。

写真は、右が従来の板。左がバース7。長さもかなり違います。


「バースシリーズのうんちく」
”雪と遊ぶ”をコンセプトに開発された、
レジャースキーヤー用のスキー板。
取り回しのよさが最大の魅力。高度な技術を必要としないので、
初心者や女性を中心に、中級者のレベルまでカバーする性能を持つ。
グレードにより、上級のバース8や下級のバース5などがある。
バース7が一番、性能と価格のつりあいが良いので売れ筋である。
2.3年に一度、素材、デザインともフルモデルチェンジをするが、
最新バージョンは2004年度版。

歯医者新人面接・12 ファイナルアンサー?

全く、どうして私がこんな面倒な役回りを・・・ぶつぶつ。

そう思いっきり愚痴りたいのをこらえ、
頭痛薬を飲みながら私は仕事をしていた。
身も心も本当に参ってる。
仕事とはいえ、相当キツイな・・・人事って。
ただでさえ大変なのに更に副院長が状況をややこしくしてるしよぉ!!

はぁ。そろそろ、面接の決着をつけなくてはならん。時間がない。

先輩や、カレシ君の意見も聞いたし、
やっぱり現役歯科助手を採用といこうか。
そう内心決意を固めつつ仕事をしていると、院長が耳打ちした。

「なあ、結局あの歯科助手の子を取るんやろう?」

院長は、私の思いを確かめるようにそう言ってきた。
自分の息子が、私に美人推薦の言動を院長も傍で聞いていたから、
私が困っていると思って、院長なりに気を遣っているような気がした。

「院長先生、どっちが良いですか?先生決めてください(笑)」
私は院長にそう言ってみた。
どっちを選ぶか、私の権限でさえなくなれば、
例の美人だろうと誰だろうと構わない。(笑)

私、誰とだって仕事するよ。
気が変わってその子がすぐに辞めようとも、
私の権限で決めたのじゃなければどうだっていいことだし。

そうだ、そうなんだよ。先生が決めりゃいーじゃん!!

「い、いやぁ~・・・」
院長は言葉を濁す。あくまでも選考に関わりたくないらしい。
「ちえさんが決めたらいい。」

はぁ、そうですか・・・私はがっくり。

そうこうするうち、院長との会話を聞いていたのか
副院長が私のところへやってきてこう言う。

「面接、ちえさんが好きな子取って良いから。全部任すわ」

ハァ??

おいっ、副院長!なんやねんな!!
今までの動物の子への押しはなんやったんじゃっ!!
そう言うなら、元から変なややこしい言動しなさんな!!!


私は内心怒り心頭。
副院長、あなたの事は7年一緒に仕事してるのに全く理解できません。

私の頭痛は増すばかり。(泣)
薬飲んでも、頭が痛いわ・・・

とにかく、ファイナルアンサーだ。
「現役歯科助手を雇う!」

目の前にみのもんたが居たならば、
きっと「正解!!」と言ってくれるはずだ。(爆)


・・・次回に続く。


歯医者新人面接・11 どうすんだよ、これっ!

ああ、頭が痛い・・・

連日の面接による極度のプレッシャー、
そして先生からの遠まわしの圧力により、微熱が出てきた。
私は頭痛薬を服用。そして、考える。
誰を最後に選ぶかを・・・

ちえ、頑張れ!と自分にいい聞かせた。
もうちょっとの辛抱だ。最後のこれさえ乗り越えれば楽になる。
でも・・。一体どうしたらいい?!

先生の下心を読み取って(爆)動物の子を取るか。
それとも、仕事の出来具合第一で見て、現役歯科助手か。


うーん解らないや・・・(滝汗)
私的には、もちろん歯科助手を取る。
だって、仕事をする人材を募集掛けたんだから。

なのに、先生は自分の「嫁候補」の目線で私に意見する。
結局、男なんてそんなもんだろう。
解っちゃいるけど、そんな先生についてゆけなくて、
動物の子を雇ってもすぐに辞めてしまったら、私の責任だ。

そもそも、先生に女性ウケする素質があれば、
とっくに結婚してるだろーし、こんな事で悩まなくていいのだ。
30代後半で結婚願望がありながら、何故今まで独身なんだよ・・・
お金も持ってるのにさ(笑)
女性が寄り付かないのは、
先生の女性に対する態度と先生の性格にクセがあるからこそだ。


今時の美人であるその子は、普通、当然カレシが居るだろうし、
彼女の気持ちに先生の入る隙はないぞっ!
しかも、彼女は24歳。先生より一回りも年下だ。犯罪だっ。(爆)
それに、そんな見え透いた下心で接したら普通、誰でも引くよ!
そうでなければ、ここで勤めてきた歴代の先輩方が
先生を放っておくことはなかったであろうに・・・(苦笑)


むむ。この問題。人気番組”クイズミリオネア”に例えて、
「ライフライン」を使い、
オーディエンスに聞いてみるしかないか・・・!!

まず、カレシ君に聞いてみた。
「先生、おもしろいなあ!!あははは!!」
カレシ君は話を聞いて馬鹿ウケした。
笑い事じゃないよ・・・カレシ君。
マジ。私悩んでるんだよ!!

「ごめんごめん。でも、本当に解りやすい人だね。
でも、最後はちえさんがこの人を!と思う人を取るべきじゃない?
それが一番だと思うよ。うん、それがいい。
その動物の子、オレはなんかすぐに辞めそうな気がするよ・・・」


なるほど。
そうだね。もともと愛想がないから、医院の評判に関わるし、
先生になつかないかも・・・(先生はあの調子だから引くかも)

今度は、以前私と勤めていた、結婚してやめた先輩にメール。

「副院長は、職場でしか女性との出会いがないからさ。
だから、自分の好みで選んじゃうんだろうね。
でも、一番は仕事をするための人材だから、
やっぱりそれを重点に人を見るのが正等じゃないの?
そういえば、過去に一度だけ副院長直々に面接をして
雇った子が一人居たけどさ、3ヶ月で辞めて行ったよ。
そんなことがあったから、先生の好みの子はどうも・・・」


という返事が来た。
なるほど。こちらもそういう意見か。

ってことは、選ぶのはひとつしかないな。
ああ、本当に最後まで疲れるよ・・・

私はそれから3日連続で頭痛に悩まされ、
薬が手放せなかった(苦)

・・・次回に続く。

歯医者新人面接・10 先生の好み・・・

やっと、面接が終わった。

私は実際に面接希望者から電話を取り、
履歴書をチェックし、面接をした総合判断で
1人を絞った。
「人事に関する全ての権限は私に任す」と、
事前に院長と副院長からお達しを受けているので
おかしな子は雇えないと、私は必死だった。

一応、採用候補が誰なのかも先生2人に伝えた。

が、副院長(院長の息子)が面接の終わった履歴書一覧を
何度も何度も興味津々でチェックするのだった。
診療の合間に履歴書を挟んだバインダーを引っ張り出しては見て、
元に戻して、1時間後にまた手元に出しては見て・・・(苦笑)

そんなに気になるなら、自分が面接すれば良かったものを・・・

大体、雇い主が人事にノータッチていうのがおかしい!!
なんで、従業員が従業員を見て雇うんだYO!!
普通、お金を出す先生こそが関わらなければならない事だ。


それでも関わらない理由を私は知っている。
単に、先生2人とも
「面倒くさい」のと、「元々人嫌いな性格」があるからだ。
表向きは、「ちえさんに合う子を自分で選んだらいい」
なんて言っているが、それは建前でしかない。

その裏付けの理由が、これから語る事実だ。

副院長は、ある1人の子が気になってしょうがないらしかった。
口ではそうはっきり言わないが、
先生の言動からしてどう考えてもおかしい。

「動物学校を出た子、どんな感じの子だった?」

一番美人の面接希望者のことばかり、私に聞いてくる・・・

「ああ、根性はありそうですけどちょっと表情に乏しい子でした」

そう私が正直に感想をもらすと、

「ふーん。でも、動物相手の仕事なんやったら仕方ないんと違う?」

と見ず知らずの彼女を弁護する言葉を返してきた。更に、

「なんで、この子動物学校に行ったんやろか?
歯科助手の学校に行けばよかったのになぁ?ね、そう思わへん?」


と、私に同意を求めてくる・・・

そんなこと、私は知らんがなーーーーーーーーー!!
動物学校を選んだのはその子の勝手やろがっ!(怒)


何だかんだ言って、副院長は私に
美人を雇って欲しいと、暗に圧力掛けてきてるよ!!


そりゃあ、男として若くて綺麗な女にこしたことはなかろう。
けど、仕事とは全く別と違います??
第一、先生が気に入ってても、
彼女が先生を気に入るかどうかは、また
「別の話」ですやん・・・
(注釈。先生は30代後半・独身なのである)

それにしても、とっても解りやすい人ですね・・・先生。
これだけ1人の子ばっかりヨイショするなんて、
相当この子が先生の好みのタイプなんですねぇ・・・。(笑)

でも、先生の好みだけで仕事の人間選べますか???
仮にも、全て任すって言われた以上、選択を間違えれば
責任ありますもん・・・

けど、経営者の意向も聞かなくちゃいけないのか・・・?
だったら、先生のタイプを雇うほうが適当・・・??

ああ、私どうしたらいいの?

・・・次回に続く。

歯医者新人面接・9 現役歯科助手さんいら~っしゃいっ♪

とうとう最後の人物。
彼女はなんと、他院の現役歯科助手。
しかも丸5年のキャリア!!逸材がやって来た。

なんでも他院でバイトとして5年間働いてきたが、
当初はいずれ正社員にするという約束だったのに、
一向に社員になる兆しがないので、
こちらで正社員として歯科助手の仕事をしたい、とのこと。

もともと、姉が歯科衛生士なので、その影響でこの職についた。
という話である。

始めの電話での面接予約も、とっても話し方が上手で心地いい声質。
電話予約だけで既に、私の中で一番にヒットする人材だった。

実際会ってみると、面接という緊張感が感じられない人物。
いい意味、リラックスして、悪く言うと馴れ馴れしく(笑)、
私に対して自然と会話をする人物だ。

いつのまにか、私は相手のペースに引き込まれて雑談にまで発展・・・
それでも、「彼女は見込みがあるな」と思わせるものが数点あった。

「ええっと、ここ朝10時から始まりますよね。
私、何時ごろ出勤すればいいでしょうか??」


・・・出勤時間を問う人材は、彼女が初めてだった。
やる気がなければ、思いつかない質問だと思う。


それに、こうも言っていた。
「私、歯科助手はずっとやってきましたが、
受付の経験が全くないのです!それでも勤まりますか?
それが不安で仕方がないのですけど・・・」


自分の不得意な事をはっきりと挙げ確認を取る。
本気で仕事するつもりだからこそ出る不安だと思う。


「なんでもします」「なんでも出来ます」そう断言したり、
もしくは、仕事に関し何も質問してこない人こそ、
いざ、仕事をさせると真剣に取り組まない事のほうが多いのだ。


「私、すごくどんくさくて・・・けれどその分がんばりますっ!」
そう決意発表して笑う彼女の明るさに、私は引き込まれていく。

それに、凄く嬉しかった事がひとつ。
給与や賞与、昇給の説明を彼女にしているとき。
彼女、目を丸くして、笑顔でこう叫んだ。

「ええーーっ!そんなにお金頂けるんですか?嬉しいです!」

・・・彼女以外誰も、給与説明で大喜びした人はいない。
皆、それ位もらえて当然!てな顔つきで私の説明を聞いていたぞ。


こんなに喜んでお金を受け取ってくれる従業員ならばきっと、
ウチの先生だって、お金の出し甲斐もあって嬉しいだろう!!

「コレくらいの給料、もらえて当たり前」
そんな考えのなさそうな彼女を、私は雇う事をほぼ決めた。
彼女に仕事を任せたい!豊富な経験もある。
彼女なら必ず、ウチの職場に貢献してくれるだろう。

あとは、先生2人に5人分の履歴書を見せて報告するのみ・・・

が、以外な展開が私を待っているとは、
この時はまだ知るよしもなく・・・


次回に続く。

とうとう、買ってしまいました(感涙) SALOMON VERSE7!

スキーキチガイな私(笑)。

勿論、my板とmyブーツを所有。
しかし、もう8年、同じモノを使用している。

そろそろ、新モデルへ一新したかった。
ブーツは5年で劣化、品質に問題が出てくるし、
今の私の所有板はカービングモデルではなく、
原始的ノーマルスキー板。
最近の道具は飛躍的に性能が当時より上がっているので、
そろそろここで近代的マテリアルを導入してやろうと思っていた。

去年、大変気に入り狙っている板があったのだが、
板を替えるならブーツも新調したくて、
3月のシーズンオフ直前激安セールを狙っていたところ、
お目当てのブーツが先に売り切れてしまい、
去年は結局板もブーツも新調をあきらめた。

道具予算は7万円・・・
今年こそ、買うぞ!と狙っていたところ。
昨日、近所のアルペンにいったところ、ありましたありました!!

私が去年からカタログで検討したうえで、
これこそ自分にぴったりだ!と喉から手が出るほど欲しかった、
「SALOMON VERSE7」!!あったあった嬉しいな!

現在持っている板もサロモン製。
サロモンの板は全般に高いけど、流石に素晴らしい性能のスキー板です。
しなって欲しいときはきちんとしなるし、
此処は思い切り跳ねて欲しい!と思うところでは思うまま跳ねてくれる。
使い回しが自由自在!

そんな私のお目当て品が、静かに陳列棚に
たった一本だけおいてありました。

まるで、
「ちえちゃん、買って!今すぐ買って!売り切れないうちに!」
と囁いているかのよう・・・
この時期になると、買い逃せばもう入荷はないので、
本当に私の為に居一本置いてあるような気もしてくる(笑)

値段は。。。ビンディングとセットで43000円。
ブーツも新調して、全てで62000円程度。
うん、税込でこの値段なら、納得じゃ~!!
やったーー!とうとう買っちゃったよん♪

私は、関西人なのでケチるところはかなりシビアだが、
ここぞ出すと決めたモノには金に糸目をつけない。
しかも、必ず「現金一括払い」だ。

10年前、新車購入の際も、自動車屋営業マンの
「是非ローン組んでください」との依頼を固辞し、
車体と諸税含めて140万円「現金一括払い」したのだ。

お金は出すときにパーンと出すと、すっきりするぞ。
そして、「買った!!」という気が凄くする。

今回も、いい買い物ができたなぁ!
それもこれも、ちゃんと労働しているから出るお金だ。

ビバ!労働者。そしてビバ!独身貴族。(笑)
私は今の生活が大好きだ。

さあて、今週末。SALOMON VERSE7でスキーに行ってくらぁ~♪

SALOMON VERSE7についてはこちら。
http://www.rakuten.co.jp/websports/412979/494082/#454931